データの解釈・取り方次第で、いくらでも作れるNO1
いまどきは、ネット上において「顧客満足度」という名のもとに、さまざまなデータが表示されNO1を競う社会になっています。しかしあの「顧客満足度」には裏があります。集計データの取り方1つで、いくらでもNO1を作り出せてしまうという裏ワザです。
たとえば健康食品やサプリメント製品では、顧客満足度NO1と大きく表示された横や下に但し書きがあって、「××製法××食品」などと添えられていたとします。しかしその××製法××食品というのは、このデータが集計された時点で、まだ業界で5社しか同じ製法を行なっていなかったら、簡単にNO1になれてしまいます。
さらに条件をつけて××食品とすれば、競争相手の幅は狭まり、数も減ります。極端に言えば、“10人とではなく、5人や2人と駆けっこをして一等賞をとりました”と言っているようなものです。
コンサルティング会社の入れ知恵、データ会社の悪知恵と言ってしまえばそれまでですが、すでにビッグデータが暗躍する時代、このようなデータ工作はいくらでもできてしまう世の中にあることを知っておくべきです。
疑わしくても選ぶ基準にはできる「顧客満足度」表記
いろいろデータの悪口を書きましたが、のぼり旗業界も、そろそろ顧客満足度競争を行なって、正々堂々とそれを広告表示してはどうでしょうか。不正な改ざんや書き換えを行なっていない限り、それらの表示はユーザーにとって有効なはずです。
また業界各社でナンバーワン、オンリーワンを競い合うことは、各社の活性化や切磋琢磨による品質・サービスの向上、さらに業界全体の底上げにもつながっていくことだと思います。個人の開業店や小規模イベントの増加で、のぼり旗需要はうなぎ登りに増えてきました。
いまいちばんユーザーが困っているのは、どののぼり旗店を、どんな基準で選んだら良いのかわからないという点にあります。大げさに言うと、顧客満足度表示があれば、店選びの目印になるばかりか、追随する各社の1つの指標にもなってくるのではないかと考えられます。
【顧客満足度NO1を競い合うポイントの一例】
●価格の安さで
●お客様対応力で
●きめ細かなサービスで
●納品までのスピードで
●品質や保証で
●デザインなど制作提案力で
●無料化やアイディアで
●わかりやすい価格体系で
●顧客数で
●リピーターの数で
●売上げで
客目線でのぼり旗業界をみていると、各社・各店のホームページはかなり充実しているものの、業界として地味な印象があり、“頑張っているのに横並び”のイメージがあります。そろそろスーパーやアパレルのショッピングサイトのような、楽しさ・華やかさが前面に出てもいいのではないでしょうか。
品質やサービスへのこだわりという本業上での差別化が必須である一方、ホームページ上、サイトとしてのわかりやすさ、差別化にも取り組んで欲しいものです。顧客満足度競争は、そのような意味でも、のぼり旗業界の次の一歩につながるのではと期待できるところです。